〜パンダ技士の徒然日記〜

一児の父親です。事実は小説よりも奇なりと言われますが、世の中は本当に面白いことばかり。何でも自分の目で見て、聞いて、読んで、食べて、考えて、試してみて、書いてみて。真面目だったり、シュールだったり、センチメンタルだったり。

〜月曜日は建築の話〜 新国立競技場

何かこれまでパンダとか、暴れん坊将軍とか、子育てのこととか、統一性のないことを書いてきました(汗)

でもパンダ技士は一応建築技術者なので、今日は建築に関することを書きます。以後、月曜日は建築に関わる内容を書く日にしようと思います。週はじめは、やっぱり仕事モードですからね。

さて、最近世間を騒がせている新国立競技場の話がありますよね。大体の状況はニュースやネットでたくさん情報が流れているので、改めて書く必要はないと思います。僕が今日話しておきたいのは、その陰で必死に頑張って頑張って、でも翻弄された技術者がたくさんいたということです。

建築業界以外の人にはあんまり知られていないことですが、ザハ・ハディト案が通ったからといって、ザハ・ハディトさんが一から十まで設計図面を起こしてはいません。それどころか、全く関わらない図面の方が多いのが現実なのです。全体のデザインやコンセプト、基本的な平面図等はザハ・ハディト案から当然来ていますが、詳細図面は実は日本の設計屋さんが書いていました。つまり分業です。

実際に聞いた話では、かなり毎日残業して膨大な数の図面を書いたそうです。多分、残業代なんで全部出ません。建築設計なんて、好きじゃなきゃ務まらない仕事なんです。それでも毎日頑張って頑張って書き上げた成果品が、最初の見通しの甘さから台無しになってしまいました。

誤解のないように言っておくと、白紙撤回したことはいい判断だったと僕は考えています。最初から議論があったことですが、建築が巨大すぎてコストも高く、何より神宮の地にかみあっていませんでした。見直しすることは賛成です。

でも、また多くの設計屋さんが図面を書き直すことを考えた時、本当に苦労が絶えないなぁと思いました。毎日遅くまで図面を引いて、本当にお疲れ様です。

この騒動の陰に、目立たないけど人知れず頑張っている人達がいます。新国立競技場が竣工した時には、どうかその事をちょっとだけ思い出してくれたら嬉しいです。いい建築ができることを願っています。

さて、明日は現場なので朝が激はやです。パンダ技士は全力で布団に入ります。明日も頑張りましょう♪ではでは。